この原因は何ですか?
また、治し方を教えてください。
今回は、こんなお悩みのご相談がありました。
魚を飼育していて、一番発生の確立が高い病気が白点病だと思います。
白点病は、海水魚でも発生しますが、淡水魚と海水魚では原因が異なります。
今回の質問は、金魚を飼育していの白点病のお悩み相談ですので、淡水魚(金魚、メダカ、淡水の熱帯魚等)の白点病について説明したいと思います。
白点病ってどんな病気?原因は?
淡水魚の白点病は、白点虫(イクチオフチリウス)という繊毛虫が魚に寄生して発生する病気です。白点虫は、空気中や水中に普通に存在しています。
安定して落ち着いている水槽の健康な魚には寄生することはありませんが、水槽内に変化や問題があり魚がストレスを感じたリ、体調を崩しはじめたりすると魚に寄生して白点病となります。
水槽内の変化や問題がある場合
- 水換えや季節の変わり目等による水温の急激な変化があった場合
- 水槽の水換えや清掃を長期間おこなわず水質が悪化している場合
- 間違った方法で砂や濾過槽の掃除をおこない砂や濾過槽内に溜まっていた汚れが水中に出て水質が悪化してしまった場合
- 新しく魚を入れた際に、環境の変化等で新し魚がストレスを感じ免疫力や体力が低下した場合
- 魚同士が喧嘩やイジメをおこないストレスを感じ免疫力や体力が低下した場合
- 水槽に対しての魚のキャパシティや濾過能力が足らず水質が悪化した場合
以上のような問題があると、白点病になる危険が高まります。
白点病になるとどうなる?
白点虫は、魚の上皮組織内に寄生して繊毛運動をおこない血液や上皮組織の崩壊細胞を食べます。そのため白点虫が魚の体に寄生すると、魚は体が痒くなり、砂や石などに体をこすりつけるようになります。
その他の行動としては、水槽の底でじっとしていたり、鼻上げをしていたり、暴れまわる事もあります。
見た目では、魚の体やヒレ等に0.5㎜から1㎜程度の小さな白い点が発生します。
白点虫は、魚に寄生して成長していき成長したら、いちど魚の体を離れ分裂して増殖します。
そして再び寄生して次第に、白い点が体中に増えていきます。
魚は徐々に、食欲がなくなり餌を食べなくなり衰弱していきます。
症状が悪化し重症になると表皮が剥離してボロボロになる場合もあります。
さらに、エラに寄生しまうと酸欠、呼吸困難になり弱り死んでしまう事もあります。
白点病の治療方法は
まず水質の改善と水中内をただよっている白点虫を水槽の外に出す為に、水槽内の水換え1/2~1/3と清掃をおこないます。濾過槽や砂なども綺麗に洗いましょう。
この時、注意が必要なのは水温です。
急激な水温変化は避けできるだけ水槽内の温度と近い水温で水換えをおこなってください。
白点虫は、水温25度以下で活発に活動し増殖していきます。
白点虫が寄生してから成長して魚の体を離れるまで、20度から25度の水温の場合では約5日前後かかります。
10度以下の低い水温ですと、約3週間ほどかかります。
つまり水温が低いと、魚の体に長く寄生することになります。
逆に高温で管理された水槽では、魚はほとんど白点病にはかかりません。
30度以上の水温であれば、すぐに魚の体から離れ、白点虫の増殖力自体も弱まり増殖しません。
塩を使用した治療
初期段階であれば、先ずは水換えをおこない、水槽内を綺麗にします。そして温度設定が出来るヒーターを入れて水温を徐々に上げていき30度前後に設定して、塩浴を一週間程度おこないます。
塩を使用した金魚の病気予防、ストレスを緩和できる方法で金魚の塩浴について書いていますので、方法についてはこちらを参考にしてください。
鷹の爪を使用した治療
白点病初期段階で、水草を植えているなどの理由から塩浴が出来ない場合は、鷹の爪を使用した治療方法もあります。方法としては、こちらも先ず水換えをおこない、ヒーターで30度前後に水温を設定した後、10リットルの水に対して鷹の爪1本を輪切りにして、キッチンネットなどに鷹の爪を入れてから水槽内に入れます。
※塩浴や鷹の爪での治療を数日から1週間ためして改善されない場合は、市販の薬を使用に切り替えてください。
市販の薬を使用した治療
症状が悪化してる場合は、こちらも先ずは水換えをおこない、ヒーターを使用して水温を30度前後に設定して市販の薬を使用して薬浴をおこないます。使用する薬は、マラカイトグリーンやメチレンブルーなどがおすすめです。
マラカイトグリーン・アグテン |
メチレンブルー |
市販薬の使用は、説明書をよく読み決められた用量で使用して下さい。
※薬によっては、使用量を間違えると魚が死んでしまう場合があります。
4日前後で薬の効果は薄れてきますので、薄れてきたら水を換え薬を入れるという作業をよくなるまで繰り返して下さい。
治ってからも、しばらく(1~2週間)は再発防止のため薬浴を続けることをお勧めします。
餌は与えても大丈夫?
塩を使用した金魚の病気予防、ストレスを緩和できる方法では、餌を与えなことをお勧めしています。これは餌を与えた事で水質が悪化する可能性が高くなるからです。
ですから餌を与えない方が水槽の管理がしやすいと言う考え方です。
熱帯魚ショップやネットでも、同じ理由で与えない方が良いと説明されている事があります。
それも間違えではないと思いますが、白点病が治るのは最終的には魚の体力次第な所があります。
水質管理が確りと出来る環境で、魚が餌を食べてくれているのであれば、餌を与えて魚の体力が落ちないようにした方が良いです。。
餌を食べない場合は、しばらく餌を抜いて様子をみて、餌が食べれるまで回復したら与えてください。
白点病にならない為の対策は
- 水質の悪化を防ぐために、定期的に水槽の水換えと掃除をおこなう。
- 水換えや季節により水温が低下したときに発生しやすいので、水温の管理を慎重におこなう。
- 水槽内のキャパシティを考えて魚を飼育する。
- 濾過能力が十分にある濾過装置を使用して水質が悪化しないように心がける。
- 新しく魚を追加する場合は、水合わせを慎重におこない、場合によっては1週間から2週間はメインの水槽に入れずに薬浴をさせる。
そして、少しでも魚の様子がおかしいと思ったら、出来るだけ早く対応して下さい。
白点病は、早期段階で素早く対応したら必ず治る病気です。
慌てず、焦らず落ち着いて、素早く対応してあげて下さい。
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