テッポウエビってどんなエビ?
テッポウエビは、十脚目テッポウエビ科に分類されるエビの一種です。寿命は3年前後で、種類にもよりますが、サイズは小さい種類で3cm、大きなもので5cmくらいです。
ニシキテッポウエビ |
太平洋、大西洋、インド洋と広い範囲の熱帯から温帯に分布しています。
日本だけでも70種類以上のテッポウエビが生息しています。
湾内などの穏やかな場所や、海の浅い場所の珊瑚礁や藻場、砂泥底などに深さ数cmの巣穴を掘り、主に夫婦で一緒に暮らしています。
ハゼと共生するタイプとしないタイプがいる?
ハゼと共生するタイプのテッポウエビが一般的には知られていますが、共生するテッポウエビは、ごく一部で、共生しないテッポウエビもたくさんいます。水槽で飼育する際、綺麗だからと言って何も知らずにショップでテッポウエビを飼ってしまうと、ハゼと共生せずハゼを攻撃してしまったなんて事になりかねません。
熱帯魚ショップなどでは、綺麗であれば観賞用として、共生するしない関係なく販売されています。
ハゼと共生した水槽を作りたい場合は購入前に、ショップの店員さんによく相談して共生するタイプなのか、しないタイプなのかをご確認ください。
なまえの由来はおおきなハサミからでる音?
テッポウエビは、大きなはさみ脚もっています。そのはさみ脚をつかいパチン!!と大きな音を出して、相手を威嚇したり攻撃します。
この音の大きさは200デシベル以上です。
この200デシベルがどのくらいの音かと言うと・・・
調べてみた所
飛行機のエンジンが120デシベルらしいです。
200デシベルは、火山の爆発と同じらしいです
おそろしくものすごい大きな音をハサミで出している事になりますね(;^ω^)
これを水中でおこなうと、その大きな音は、キャビテーションを発生させ衝撃波となり直撃した相手を気絶させてしまいます。
さらに、人間の目では確認できませんが、高性能のカメラなどを使用してみてみると、プラズマ化して一瞬光も放つようです。
※キャビテーションについて詳しく知りたい方は、こちらをご参考にして下さい。
キャビテーションWikipedia参考
数㎝サイズのエビなのにこんな必殺技をもっているとは、恐ろしいです。
水槽で飼育していると、時々夜にパチン!パチン!と言う音が聞こえてきます。
しかし水中での出来事なので水槽で飼っていても騒音にはならず、健気に巣穴を掘っている姿が観察できますので、ご安心ください。
一緒に飼える魚は?
テッポウエビ同士ですと、ペアにならない限りは喧嘩しますので小さな水槽に多くのテッポウエビを飼育するのは、おすすめ出来ません。共生するタイプのテッポウエビは、共生ハゼや、おとなしいエビや小型の魚等であれば基本的には一緒にかえると思います。
ただし、大きな魚、ベラやスズメダイ等の砂に潜ったり、掘ったりする魚、フグなどのエビを食べてしまう魚、動きが活発でテッポウエビにストレスを与えてしまう魚等は、同じ水槽での飼育はお勧めできません。
巣穴から全く、出てこなくなります。
共生しているテッポウエビのご飯はハゼのウンチ?
市販の熱帯魚フードを与えて入れてば、問題なく飼育できますが、ハゼと共生しているテッポウエビは、実はハゼの排泄物を食べて生きています。実際に、産卵箱でハゼとテッポウエビを飼っていた時、テッポウエビがハゼのフンを食べている姿を目にしました。
ハゼと共生することで、見張りやハゼの体のクリーニングをおこなうだけでなく餌もハゼから供給してもらっている事になりますね。
どんな種類のテッポウエビがハゼと共生するの?
一般的に知られているテッポウエビで、比較的簡単に入手できるテッポウエビは4~5種類ほどです。以下に紹介するテッポウエビは、問屋やショップでも見かける事がよくあります。
ニシキテッポウエビ(タイガーピストルシュリンプ)
コトブキテッポウエビと並んで、初心者にお勧めで人気のテッポウエビです。
サイズは5cm前後です。
ニチリンダテハゼなどの10cm前後になる、おおきめのハゼと共生させてあげるのがお勧めです。
コトブキテッポウエビ(ランドールピストルシュリンプ)
小さくて可愛い人気のテッポウエビです。
数年前に日本名コトブキテッポウエビと言う名前が付きましたが、それまではランドールピストルシュリンプと呼ばれていました。
ニシキテッポウエビと並んで人気でポピュラーなテッポウエビです。
サイズは3.5cm前後です。
ヤシャハゼやヒレナガネジリンボウ等の小型のハゼとの共生がお勧めです。
コシジロテッポウエビ
その名のとおり、腰2カ所に白いラインが入っています。
上の二種類に対して、入荷量は少なめです。
サイズは4cm前後です。
中型サイズのギンガハゼ7cm前後やクビアカハゼ6cm前後などがお勧めです。
ダンスゴビーシュリンプ
オドリハゼと共生するテッポウエビです。
サイズは5cm前後です。
砂底ではなく、ハマサンゴやサンゴ岩の基盤の脇に巣穴を作るため採取が難しく値段も他のテッポウエビに比べて高いです。
オドリハゼを飼育する時は、一緒に飼いたいテッポウエビです。
ハゼと共生しないテッポウエビ
ヒノマルテッポウエビ
ヒノマルテッポウエビはハゼとは共生しないテッポウエビとして有名です。
単独で巣穴を掘り、生活しています。
サイズは5cm前後で、名前の由来は体にある丸い模様が日の丸のように見える事からです。
ハゼとは共生しないので、購入の際はお気を付けください。
水槽で飼うには、どんな砂を用意したらいいの?
テッポウエビは、とても器用に巣穴を掘ります。邪魔だと思えば自分と同じくらいの珊瑚砂でも軽々と持ち上げて、移動させます。
しかし、珊瑚砂のサイズが全て同じだと、掘ってもほっても砂が崩れてきて、うまく巣穴を掘る事が出来ません。
そこでテッポウエビを水槽で飼う場合は、テッポウエビが巣穴を掘りやすいように、数種類の砂のサイズを混ぜて水槽に入れてあげるのが良いです。
お勧めは、パウダー系の0号から中粒サイズの5号くらいの珊瑚砂を3種類ほど混ぜる事です。
我が家では、0号、3号、5号の砂に少しだけ10号を混ぜて使用しています。
0号 |
3号 |
5号 |
10号 |
違うサイズの砂がある事で、器用に砂を組み合わせながらとても上手に巣穴を掘ってくれます。
面白いのが、夜になると大き目の砂で、巣穴に蓋をして確りと戸締りまでおこなう事です。
ちなみに砂は厚めの10cm程度がお勧めです。
テッポウエビは、とても働き者で毎日、地道にコツコツと巣穴を掘り、壊れた所を修繕して一生懸命働きます。
見ていて、自分も頑張らないと!と言う気持ちにさせてくれます。
機会があれば、是非一度、テッポウエビを飼育して観察して見てください!!
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