水槽の地震対策

地震に備える

日本は、地震が多い国です。アクアリウムを楽しむ際に、地震に備えて安全にアクアリウムを楽しみたいと思う方は多いと思います。

地震に備えた水槽設置の方法

  1. 水槽は、床の強度が十分にあり、平行で安定した場所(水平器を使用して確認してください)、地震で水こぼれがあった場合に備えて、水がこぼれても大丈夫な場所、感電や故障、火災の原因になる危険があるので周囲に電化製品が無い場所、また水槽が倒れたり水槽が割れたりした場合に備えて、寝室など怪我をする危険性ある場所や避難の際に障害となる可能性がある場所は避けて設置してください。 その他、周辺の家財道具が倒れて水槽を割ってしまうような事がない様、周辺の家財道具も倒れないように地震対策をしておくか、転倒の恐れがない場所を選んで設置すると安全です。
  2. 水槽台(キャビネット)を市販の家具固定器具やバンド、つっぱり棒を使用して固定して水槽が倒れないようにして下さい。大きな水槽では、重量もあり、水が入っていることにより安定して水がこぼれる事はあっても倒れて崩壊する事はめったに無いと思います。水槽台を固定した方が良い水槽は、ハイタイプの背が高い水槽や、特注で水槽台の高さがある物、頭が大きく水槽台が小さい物などです。
  3. 水槽とキャビネットの間にセーフティマットを敷く事により、地震による水槽台のわずかな歪みなども吸収してくれ、地震の揺れによる水槽のズレ防止にもなります。敷いていないと、水槽がズレ動いてしまったり、最悪の場合は落ちて崩壊してしまったりします。セーフティマットは、水温低下を遅らせる効果もあるので必ず敷いてください。 ※水槽のズレ防止には、水槽台に枠を取り付けるのも効果的です。
  4. 地震による水こぼれで、水槽機材の故障や感電、またトラッキング現象などによる火災を防ぐために電気配線や配置場所を確認して、水槽周辺のコンセントやサーモスタット、タイマー、ライトの安定器などは水槽より高い場所、水槽台の中など直接水がかからない場所に設置をおこない、コンセントなどにはカバーをかけるなどしておくと安心です。また、延長コードなどを使用している場合は、トラッキング現象防止用の延長コードも電気屋やホームセンターなどで売られています。
  5. 照明を照明用のアームで吊るしたり、固定したりしている場合は、定期的にワイヤーや止め具がずれたり緩んだりしていないかを調べ、またアームが鉄製やステンレス製の場合は錆びが発生しないように定期的に拭き掃除をおこない、錆びてしまった場合は地震による揺れで溶接部分などから折れて照明が水槽内に落ちてしまう危険があるので、交換をお勧めします。
  6. 外部濾過装置やオーバーフロー水槽、クーラー等を使用している場合は、配管の状態、ホースの状態、特に連結部分を定期的に確認しておくと、地震発生時に連結部分が外れて、水漏れになる危険性が減ります。ホースの場合は連結部分をホースクランプ(ホースバンド)で止める、配管の場合は、配管用のノリやシリコンを使用した後にテープを巻いて固定するなどすると安全です。
  7. ヒーターやフィルターパイプ、エアチューブなどの吸盤(キスゴム)を定期的に交換して、しっかりと水槽に吸着固定させておくと、地震発生時に、吸盤が外れてヒーターが水中外に出てしまい空焚きや火災の原因なったり、フィルターパイプやエアチューブが外れて水漏れの原因なったりする危険の防止になります。
  8. 水こぼれを防ぐために、水槽には蓋をしておくこと効果的です。また、アクリル水槽や強化ガラス水槽を使用すると、水槽の破損の危険が減ります。
  9. 災害対策や火災防止のための商品はたくさんあります。安全回路や空焚き防止機能の付いたヒーター、停電しても時間が狂わないタイマー、漏電を感知する漏電保護タップ、防水扉やパッキンで水やホコリの浸入を防ぐ延長コード、トラッキング現象による火災防止のコンセントシール、保温と冷却をしてくれる断熱材、電池式のエアーポンプや酸素が出る石、電池が不要なソーラー水温計、水がこぼれてしまった時のバケツやタオル、軍手やスリッパなどをあらかじめ使用したり準備したりしておくと安心だと思います。
  10. 大震災の場合は、被害の大小はあるかと思いますが、必ず被害は出ると思います。その時に備えて、保険に入っておくというのも大切かと思います。

地震が起きたら

地震がおきたら、まずは水槽が転倒する危険があるので、水槽から離れて安全な場所に避難して下さい。
揺れがおさまったら、まず漏電や感電の恐れがあるため、電気器具のコンセントを抜いて下さい。
その後、水槽が転倒したり割れたりしてしまった場合は、ガラス等で怪我をしないように必ず、スリッパや上履きを履いて、軍手をしてから生体をバケツなどに移して、後処理をして下さい。
バケツに移した生体は、エアーとヒーターがあれば数日はバケツでも大丈夫かと思いますが、できるだけはやく新しい水槽をセットして移してあげてください。
水がこぼれてしまった場合は、こぼれた水をタオルや新聞紙を使用してふき取って下さい。
その後、余震による二次災害に備えて水をポンプやヒーターが水中から露出しない程度に最低水位まで減らしてください。
このとき、サランラップ等を使用して、ラーメン屋さんの出前時の用に水槽を覆っておくとその後の、余震による水こぼれの危険がさらに減ります。
※ただし、酸欠には十分に気を付けてください。
その後、時間が経ち状況が落ち着いてきたら、水槽と水槽器具に不具合が無いか確認してください。

地震発生後の水槽のチェックポイント

  1. まず安全の為、漏電はしていないか?
  2. 水槽にひび割れや破損、位置がずれるなどしていないか?
  3. 水槽台が傾いたり、位置がずれたりしていないか?
  4. 濾過装置などの配管等から水こぼれや破損はないか?
  5. 外部濾過装置やクーラーなどのホースが外れたりゆるんだりしていないか?
  6. ヒーターが水中から出ていないか?
  7. 電源や周辺機器が水で濡れていないか?
  8. サーモスタットやヒーターなどは正常に作動しているか?
  9. 濾過装置は正常に作動しているか?
  10. 照明は正常に作動しているか?
  11. また照明をアームなどで吊るしている場合は、止め具がゆるんだり、ずれたりしていないか?
  12. アーム自体に損傷はないか?
  13. タイマーを使用している場合は、時間にずれが無いか?
  14. その他、水槽機器に異常は無いか?
(殺菌等、プロテインスキマー、CO2添加装置、カルシウムリアクター、クーラー、水中ポンプなど)

以上のような事をチェックして下さい。
実際に地震が起きたら、落ち着いて行動し、まずは自分の命を最優先にして安全な場所に非難して下さい。